討議する議会に

2011年6月14日 19時50分 | カテゴリー: トピックス

 (社)東京自治研究センターの主宰する月例フォーラムに出席しました。
 テーマは、”参加と民主的合意形成”の第1回目で、「新しい参加と討議デモクラシー」ということで、別府大学地域社会研究センター所長の篠藤明徳氏からお話を聞きました。

 氏は長年ドイツに暮らし、ヴッパータール大学のペーター・C・ディーネル教授の考案したプラーヌンクスツェレ(Planungszelle直訳すると「計画細胞」)という手法によって、市民が市政などの計画についてしっかりと討論し、提言する、新しい形のミニパブリックスで、これを日本でも進める活動をしている方です。

 この手法は、無作為に抽出された市民に、まず情報提供をしたのち、丸4日間、終日議論してもらいます。小さなグループになって次々にメンバーチェンジをすることで、皆が同様に均等に発言できることが特徴です。もちろん有償です。16歳からが対象になるそうです。
 テーマは、都市計画、交通、エネルギー、廃棄物処理や環境問題、外国人市民の統合、教育問題、科学技術の影響、消費者政策など多岐に渡ります。

 市民による討議こそが新しい公共空間を形作ることは、ハーバマスだけでなく多くの政治学者から言われていますが、このプラヌンクスツェレは、この実現のために実に有効な手段のように感じました。

 新宿区では、昨年「自治基本条例」の制定に向けて、無作為抽出の区民1500人による「区民討議会」を5回にわたって行い、今年もまた計画されていると聞きました。
 豊島区でも、2008年に制定された「豊島区自治の基本に冠する条例」策定にあたっては、これまでになく多くの区民主体で起案から取り組みましたが、委員は公募もしくは依頼によるものでした。条例を生かすために「推進会議」が発足し、その提言によって”地域協議会モデル地域”が設定されましたが、その動きは当該地域以外にはどうもよく見えてきません。
 
 政治についてのみならず、徹底的に討議をして過程的に「合意」をするというのは、ドイツ人の国民性だとも感じるのですが、このプラヌンクスツェレは、市民の政治参加の新しいスタイルになりうると感じました。(水谷)